「[懐石道具他]箸(杉箸)」について
杉箸(すぎばし)は、菜箸の一種で、
善哉・汁粉用に、「杉箸」や
「杉楊枝」「黒文字」を用いるそうです。
千利休が来客の度に毎朝削って作ったといわれる
「利休箸(りきゅうばし)」は、現在も一本一本手で削るそうです。
「利休箸」には柿渋が塗られるものがあるようです。
こうすることによって強度が増し、
水をはじくので繰り返し使え、
また水分を吸収しないので驚くほど軽い箸に仕上がるみたいです。
「利休箸」の両端が細くなっているのは、
片方は「神様が使う方」と考えられているからなのだとか。
また、高級割り箸「吉野杉箸」は、
節が少なく真っ直ぐで、
色つやがよく年輪が細かいため
強くて美しい柱が取れる「吉野杉」から作るようです。
■吉野杉箸の作り方
①製材所で出る廃材として、割り箸には、主に、
丸太の外側の白い部分「背板(せいた)」を使うそうです。
②箸の長さにあわせ、高速で回転する円盤状のノコギリで、
ゆっくりと「横挽き」して行くのだとか。
ゆっくりと切ることで、断面がつるつるになるみたいです。
なお、北に向いていた方の木材は、
目が詰まり過ぎていて硬いので、
箸作りには使わないそうです。
③年輪と直角に木を切る「柾目挽き(まさめびき)」で、
板を作るみたいです。
これによって、箸の表面に美しい縞模様があらわれ、
真っ直ぐに割れる良い箸になるそうです。
なお、年輪と平行に切る「板目挽き(いためびき)」の箸は、
割ったときに斜めになることが多いのだとか。
④木材を、箸の厚み5.8mmに合わせて裁断し、
カンナで削って上面と下面を滑らかにするそうです。
⑤箸の原型を束ねて、山の沢水に一昼夜浸し、
その後、水槽から出し、半日ほど水切りをするようです。
これによって木が柔らかくなり、
最後の成型で刃こぼれを防ぐことができるのだとか。
⑥箸の原型を「箸の横幅をそろえる」
「半端な部分を切り落とす」
「箸の途中まで切り込みを入れる」などした後、
持ち手の部分を斜めに切り落とす
「天削(てんそ)げ」をするそうです。
⑦箸の口に入れる部分を「面取り」するようです。
箸先は既に二つに割れているので、
それをちょっと斜めにずらしながら四隅を削るみたいです。
成型した箸を風に当てると花のように見えるのでしょうか、
「箸の花」と言われる状態になるそうです。