「[懐石道具他]包丁(庖丁)」について

Category: 懐石道具

懐石料理を作るのに欠かせないものの1つが、
包丁でしょうか。

包丁は、かつて「庖」が当用漢字外とされたため、
同音の「包」で代用することが多いのですが、
本来は「庖丁」みたいです。

■庖丁の語源
「庖」は調理場を意味するようです。

また「丁」はそこで働く男、
つまり「庖丁」の原義は
「料理人」のことになるそうです。

『荘子』の「養生主篇」に、
魏の恵王の御前で、ある庖丁が見事な刀捌きで、
牛一頭を素早く解体して見せ、王を感銘させる記事があるとか。

彼の使用した料理刀を後に庖丁と称し、
これが日本語読みで「ほうちょう」となったみたいです。

■包丁の種類
包丁には、以下の様な種類があるようです。

種類 備考
和包丁 出刃包丁 魚や鳥等を解体するときに使う。
厚く重い包丁で、形状は三角形。
薄刃包丁 野菜全般を切るための包丁。
菜切り包丁 両刃で切っ先が丸い。
刺身包丁 刺身を引くための包丁。
刃渡りが長い。
三徳包丁 [万能包丁]家庭で一般的に使われている包丁。
身卸包丁 捌きから刺身を引くまで出来る。
出刃包丁の刃をやや細く長くしてある。
舟行包丁 [万能包丁]多くの料理道具を携帯できない、
釣り船などに持ち込む。
鮪包丁 [特殊包丁]マグロの解体用。
鰻裂き うなぎを捌く包丁。
穴子包丁 アナゴを捌く包丁。
鱧切り [特殊包丁]ハモの骨切り用。
附庖丁 [特殊包丁]かまぼこの成型用
フグ引き [特殊包丁]フグの刺身用。
鰹包丁 [特殊包丁]カツオ用。
麺切包丁 麺を切るための包丁。
寿司切り [特殊包丁]巻き寿司用。
餅切り [特殊包丁]餅用。
豆腐切り [特殊包丁]豆腐用。
寒天切り [特殊包丁]寒天用。
西瓜切り [特殊包丁]スイカ用。
菓子切り [特殊包丁]羊羹用。
洋包丁 牛刀 刃渡りが長く大きい肉切り包丁。
筋引 ヒレ肉のスジを切り離す、長く細身の包丁。
カービングナイフ 肉の塊を切り分けるのに使う。
スライサー 薄切り肉や刺身、ハムなどのスライス用。
刃先には丸みがある。
クレーバー 肢の関節を叩き切るなど鉈(なた)のように使う。
刃が厚く重く、形状は四角形。
骨スキ 骨から肉を切り剥がすため用。
ガラスキ 鶏など丸鳥の解体用。
刃が厚く長い。
フィレナイフ [万能包丁]刃がやや細く長い。
刃は弾力性が高く、ほんの少し背のほうへ反っている。
洋出刃 牛骨を刃の背で砕いたりする。刃が厚く頑丈。
ペティナイフ [万能ナイフ]野菜・果物の皮むき、飾り切りなど。
パン切り包丁 切断面近くの組織をつぶさないように、
刃厚が薄く幅が狭い。
その他 中華包丁 [万能包丁]身幅が大きく、刃は四角い。
中華包丁上海型 魚おろし用の切っ先を持つ三角形。
冷凍切り包丁 冷凍した食材をスライスする。
刃先がギザギザの波刃。
ケーキナイフ ケーキ用。
チーズナイフ チーズ用。
シェルナイフ 貝をむく貝むき用。


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