長次郎写臨済 佐々木昭楽
赤楽馬上杯 川崎和楽
馬上杯の形で、特徴的なのは、
高台が長いので、持ちやすさが強調されます。
馬の上で、酒を飲む時に用いたものらしく、
高台には、穴があいているものもあります。
話がずれますが、馬上杯といえば、
王翰著『涼州詞』の夜光杯が思い浮かびます。
王翰著『涼州詞』に
葡萄の美酒夜光の杯
飲まんと欲すれば琵琶馬上に催す
酔うて沙上に臥すも君笑うことなかれ
古来征戦幾か回る
宮廷人のような人々が、
琵琶の音色に酔いしれ、
優雅に過ごす時に用いる杯。
一時の平和を謳歌する、
戦人の美意識を感じます。
映画『カサブランカ』のセリフに
「君の瞳に乾杯」とありますが、
人々の出会いと別れには、
何かしらの哀愁が漂っています。
旧制第一高等学校(現、東京大学)の「嗚呼玉杯」は、
理想と使命に燃える人々の心意気を歌っているそうです。
杯が満ちる時、人は次に来る人生の波を意識するのでしょうか。
杯、それは、人生の岐路に立たされた人の一時の安らぎ。
杯、それは、人々の希望に満ちた、未来への乾杯。
杯、それは、新たな一歩を目指す、若者たちの理想。
そして、人は杯を手に馬(未来へ続く手段)に乗り、
大きな選択をし旅立ち、未来へ続く夢を実現していくのかもしれません。
最も古い蝋燭は、古代エジプトで使われていたそうで、
遺跡から蝋燭の燭台が見つかったのだとか。
紀元前403年~紀元前221年の中国で、
青銅製の燭台らしきものが見つかったそうです。
紀元前3世紀頃の朝鮮半島でも、
青銅製の燭台らいきものがみつかったようです。
日本の蝋燭は、中国から伝わったみたいです。
747年の『伽藍縁起並流記資材帳』に蝋燭の記載があるようです。
中国では、唐代になると一般でも使われるようなるそうで、
9世紀の温庭インや李商隠などの詩にも蝋燭が登場するようです。
このころ日本では、遣唐使が廃止されたため
中国から蝋燭が入ってこなくなり、
国産の蝋燭「和蝋(和蝋燭)」が検討されるそうです。
立礼(りゅうれい)は、1872年の第一回京都博覧会において、京都府参事槇村正直から
「外人も楽しめるような茶席がほしい」
と依頼された前田瑞雪が、裏千家十一代玄々斎宗室に相談して、
椅子と卓による点前を考案したものだとか。
現在、裏千家で「点茶盤」と称されるものが、このときの点茶台を基に考案されたもので、
テーブルに、風炉釜・水指などを置き、亭主は円椅(椅子)に腰掛け点前を行い、
客は喫架(客用机)、円椅(客用椅子)を用いるみたいです。
この椅子式の点前が各流儀においても取り入れられ、
各種の立礼棚、立礼卓が造られているようです。