掛軸(利休立像) 淡交社製

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掛軸(利休立像)



この利休立像は、利休忌の時に使用されるものです。
いろいろな利休像がありますが、これはなかなか良いできですね。

内容は以下のようなものでしょうか。
一偈を贅めて以て賀忱を抒べて云く。
綸命を降し、利休居士の号を賜う。
斯の盛挙を聞き、歓抃に堪えず。云々。

利休居士画像の上部の書は、利休が居士号を賜った際に
古渓宗陳が祝いとして贈った「頌(じゅ)」
という説に基づいたもののようです。

掛軸一行書(竹有上下節) 芳賀幸四郎

Category: 掛軸


掛軸一行書(竹有上下節)



これは、禅語の
「松無古今色 竹有上下節」
から来ているようです。

竹有上下節(竹に上下の節あり)とは、
 節操の無い平等は自然に調和しない。
 家庭には親子があり、男女があり、社会には長幼の序があって調和する。
 一人一人平等であるが、平等一辺倒でも世の中の成立はありえない
という意味みたいです。

作者の芳賀幸四郎氏は、淡交社から出版されている
『禅語の茶掛一行物』(1973年発刊)
『禅語の茶掛一行物』続・続々(1977年発刊)
が有名です。

実は、私はこの方のサイン本を持っています。
サインの字も筆で書いていただきました。
お優しい人柄で、教養が深く紳士的で、威厳のある感じが印象的です。
お話のされかたも品が良く、時を忘れてお話を伺っていたいと思うほどでした。

御子息(徹氏)も、その血を受け継がれているようで、
教養が深いことはもちろん、お優しいお人柄が、
芳賀幸四郎氏と甲乙つけがたいです。
また、芳賀徹氏(東京大学名誉教授)は、
裏千家の第十一回茶道文化賞・茶道文化貢献賞で、
選考委員をされたそうです。

お二人とも茶道に熱心で、
特に御子息は、東京から茶道家元のいらっしゃる京都へ
茶道を含め芸術探求ために通われたと聞き及んでいます。

掛軸一行書(萬里一條鉄)  大徳寺派渓雲寺 平兮伯道師

Category: 掛軸


掛軸一行書(萬里一條鉄)



「萬里一條鉄」
禅語から来ているようですが、元になったのは、
中国・北宋代の宣慈禅師道原著『傳燈録』の文章のようです。

問う、如何なるか是れ石門の境。
師曰く、烏鳶飛叫頻りなり。
曰く、如何なるか是れ境中の人。
師曰く、風、旧簾槞を射し、因りて般若寺焚に遭う。
人ありて問うて曰く、既に是れ般若什麼の為に火焼を被る。
師曰く、万里一條の鉄。

つゆ草瓢盆 象彦(九代目西村彦兵衛)

Category: お盆


つゆ草瓢盆



瓢型のお盆で、おめでたい時とかいろいろに使えますが、
絵柄として、草に露がついているので、
夏や秋に涼しさを呼ぶ演出の時に、
使うと良いのではないでしょうか。

草の色が二色なので、露がひき立ちます。
象彦製なので、長く使えると思います。

華やかな干菓子が似合うでしょうね。

菓子器(鹿蒔絵入)  象彦(九代目西村彦兵衛)

Category: 菓子器


菓子器(鹿蒔絵入)



この鹿蒔絵を見ていると、春日大社の神域「三笠山(若草山)」を思い出します。
称徳天皇の頃、平城京鎮護のため、鹿島神宮の武甕槌命を祭神に勧請した
「白鹿の背に乗つて御蓋山に奉遷された」
という伝説により、奈良のシカは、神鹿(しんろく)として神聖視され、
愛護されてきたそうです。

春日山峰のあらしやさむからん
 ふもとの野べに鹿ぞ鳴なる(権中納言公勝)
「一聲(一声)」のような悲哀な鳴き声。
人々は鹿に特別な「何か」を重ね合わせていたのかもしれません。

世界各地の山野に数多く生息していたシカ科の動物は、
ほとんどの民族の文化に対して古くから重要な影響を与えていたようです。
仙人がしばしば乗騎とする白鹿や、
月の女神アルテミスの水浴を見たアクタイオーンが鹿に変えられる話(ギリシア神話)、
源義経率いる奇襲部隊が、平氏の背後をついた「鵯越の逆落とし」にも
鹿が関連しています。

この干菓子器(鹿蒔絵入)は、周りの黒の中に赤色のある、
所謂、赤と黒の対比が絶妙で、鹿の金色が映えています。

赤と黒の対比といえば、
スタンダールの『赤と黒』が思い浮かびます。
「赤と黒」のタイトルの由来は、主人公(ジュリアン)が、
出世の手段にしようとした、軍人(赤)と聖職者(黒)の服の色を
表しているとされています。

象彦製なので、使用後はよく拭いてからしまってください。