「垂撥」について

Category: 茶道具全般

垂撥(すいばち・すいはつ)は、
掛け花用の花器を掛ける道具みたいです。

琵琶の撥(ばち)に似た形の板の
真ん中に溝を切り通して、
掛け釘が上下に移動し、
花入の高さを調節できる物と、
一重折釘固定したタイプがあるようです。

前者を自在型の垂撥、垂撥自在板と言うのだとか。

主に書院形式の中釘が打っていない襖壁や、
床柱以外の外柱にも掛け、
塗り壁の床の間には用いないみたいです。

■茶道では
茶道で用いる場合、
張付壁や襖障子の前にかけられるようです。

形・寸法は好みにより異なるそうですが、
桐や赤杉、黒竹などで作られているみたいです。

また部屋の格により「真・行・草」の別があるようです。

「真」は菱穴で「方」を表しているとか

「行」は丸穴で「圓(えん)」を表し、
人が集まり結びつくの意味で「方圓(ほうえん)」の
意匠になっているそうです。

「草」は小振りにまとめてあるみたいです。

茶室においては、
掛物と花を同時に飾らないのが正式で、
両方一緒に飾るのを「双飾(もろかざり)」
というそうです。

これは略式の扱いとされ、
掛物が長い場合は花入は床柱の釘に掛け、
横物の場合には花入は、
下の床の真ん中に置くようです。

縦に長い掛物でも取り合せで下に置く場合は、
下座寄り三分の一の所へ、
脇に寄せて置くのだとか。

■掛花入の種類
蹲る(うずくまる)・末広掛花入・
尺八掛花入・蓑虫形掛花入・雪洞(ぼんぼり)掛花入・
蝉形掛花入・旅枕(たびまくら)・南蛮芋頭掛花入・
冬瓜掛花入・蔓手花入などがあるようです。

■現在の住宅事情
垂撥は、玄関先や寄付床の飾りとしても使われているとか。

最近の住宅は壁や柱に、
ヒートンや釘を打つことが禁じられているため、
どこでもお望みの場所に移動が可能な
「三脚スタンド式垂撥」もあるようです。

三脚の結び目に枝を差し込んで、
笹竹を結わえてあるようで、
シュロ紐で結び止めするのだとか。