「シメ飾り(紙垂)」について

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紙垂(しで)は、
しめ縄・玉串・祓串・御幣などにつけて垂らす、
特殊な断ち方をして折った紙のことで、
単に垂とも表記し、四手とも書くそうです。

「しで」という言葉は、
動詞「垂づ(しづ)」の連用形で、
「しだれる」と同根なのだとか。

古くは木綿(ゆう)を用いたようですが、
現在では紙(通常は奉書紙・美濃紙・半紙)を、
用いるのが一般的みたいです。

断ち方・折り方はいくつかの流派・形式があるそうで、
吉田流・白川流・伊勢流が代表的な流派のようです。

四垂が一般的みたいですが、
二垂・八垂などの場合もあるとか。


シメ飾り

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「仕覆」について

Category: 仕覆


仕覆


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仕覆には
「名物裂、金襴、緞子、間道、
錦、風通、繻珍、天鵞絨、印金、
莫臥爾、更紗」
などがあるみたいです。

ここでは、名物裂についてだけ説明します。

鎌倉時代から江戸時代にかけて、
主に中国から日本に伝わった織物。

名物には「大名物、名物、中興名物」があって、
この中から茶人に選択され、
大事に扱われてきた裂が名物裂と言うそうです。

大名物は、 足利義政 (室町時代)が、
中国の名器・名画を能阿弥に選定させ
東山御物としましたもの。

名物は、 千利休 ・山上宗二(桃山時代)が選んだ
「茶器名物集」のもの。

中興名物は、 小堀遠州(江戸時代)が
選出したものらしいです。

■仕覆の脱がせ方
立花実山著『南方録』に、
「背の高い茶入は、袋(仕覆)を下に抜くのがよく、
 背の低い茶入は、茶入を上へ持ちあげながら
 袋を抜くのがよいでしょう。」
とあるそうです。


仕覆

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「志野袋」について

Category: 茶道具全般

志野袋(しのぶくろ)は、香道で、
香包みと銀葉包みを入れる
丸い巾着(きんちやく)のことで、
志野宗信の創案だそうです。

茶人は香包みや銀葉包みを志野袋に入れ、
常に携帯すべきと言われていたとか。
七事式の仙遊之式で使うようです。

仙遊之式というのは、
且座(しゃざ)をベースにした式で、
裏千家十一世玄々斎が考案したものだとか。
内容は、まず花を入れ、
炭をつぎ、香をたいたあと、
濃茶、薄茶の花月と続くみたいです。

茶道で使用する志野袋は、
香道の志野袋とは大きさが異なるようで、
茶道:直径6.4cm程、香道:直径8.8cm程だそうです。

緒は、単品でも販売していて、
つがり糸も付いているそうです。
「紫、金茶、朱、こげ茶、青緑、
緑、深緑、利休茶、新橋、黄、赤、
薄金、白茶、さび朱、山吹、オレンジ、
えんじ、古代紫、茶、濃紺、藤色」など
色もさまざまあるようです。
(緒:輪にして約3.5cm。つがり:約110cm。正絹製。)


志野袋

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「利休七種茶碗」について

Category: 茶碗


長次郎写検校


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以下に、利休七種茶碗を簡単に説明します。

命銘の理由 備考
大黒(おおぐろ) 大ぶりな茶碗であるため。 黒楽茶碗。
旧鴻池家蔵、現在個人蔵、重要文化財。
別途「大黒」に関して記載しています。
東陽坊(とうようぼう) 利休の門弟、真如堂の僧(東陽坊)が所持していたため。 黒楽茶碗。
鳥取。重要文化財、個人蔵。
別途「東陽坊」に関して記載しています。
鉢開(はちびらき) 托鉢をするという意味。鉢開き。鉢開き坊主。 黒楽茶碗。
別途「鉢開」に関して記載しています。
木守(きまもり) 来年もよく実る様にという祈りをこめて、
わざと木に1つだけ残しておく果実から見立てて。
赤楽茶碗。一応現存。
六人の門弟達に好きな物をそれぞれ取らせたところ、
一個の茶碗が残ったという銘の由来のある茶碗だそうです。
晩秋の柿の木の話にちなんで
利休はこの茶碗に「木守」と銘うって、
ことのほか愛玩したみたいです。

官休庵三代目家元のころに、
仕えていた高松の松平候に献上され、
代々の家元襲名茶事の折のみ、松平候から拝借し、
茶事が終了すれば外箱を作り、
藩侯に返す慣わしになっていたそうです。

ところが大正8年、官休庵九代目が松平家から
この木守を拝借し茶事を終えたあと、
なぜか松平家に戻された木守は高松へは帰らず
東京のお屋敷に保管されたそうです。

このあと関東大震災で大災に遭い、
幸い形だけは残ったものの、
丹彩な赤楽釉は窯変してしまったとのこと。

残欠を集めて楽家の弘入・惺入が
二代にわたり修復したそうで、
これが、現存している「木守」なんだとか。

内箱に「真塗 金粉字形 千一翁宗守筆 
利休所持 木守茶碗」
外箱に「桐 春慶塗 金粉字形 筆者千文叔 木守 茶碗」
総箱に「桐 白木 新規」
表に「木守御茶碗」
裏に「一翁書付 文叔外箱書付」
とそれぞれあるそうです。

伝来は、
武者小路千家→真伯宗守
→高松侯松平讃岐守家
→松平頼寿邸にて焼失。

早舟(はやふね) 京から早舟で取り寄せたという逸話から。 赤楽茶碗。畠山美術館蔵。
別途「早舟」に関して記載しています。
臨済(りんざい) 山の形を連想(京都臨済宗の五山)を連想させるため。 赤楽茶碗。
別途「臨済」に関して記載しています。
検校(けんぎょう) 検校(盲目の僧侶の最上位)に因んで。 赤楽茶碗。
別途「検校」に関して記載しています。


茶碗

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「自在(自在鉤)」について

Category: 茶道具全般

自在(じざい)は、
火力の調整がしづらい、
囲炉裏の火からの距離を調節するため、
てこの利用や、筒の中に通した、
鉄や木の鉤の位置をずらすことによって、
高さが変えられる構造を持つものだそうです。

これは、筒竹の上端に掛緒(釣手)、下端に小猿(こざる)
という小さな横木と鉤を付け、
掛緒を天井の蛭鉤にかけ、
鉤に釜を掛けて吊るものだとか。

利休好みは、竹製で節が七つで、
上端は掛縄(釣手)、下端は小猿を通して鉤を付け、
猿縄で小猿を吊り、小猿によって鉤を
上下自在に調節するものみたいです。

自在の竹木口は、炉縁まで、
小座敷は九寸上がり、
四畳半は一尺上がりに吊るようです。

自在は、武者小路千家十一代一指斎一叟の好みに、
竹の代わりに紐を用いた糸組の自在があるそうです。

紐は友湖の作、小猿は魚の形をしていて、
青磁・染付・金溜が和全の作、
桐木地が利斎の作、
鈎は浄益の作で、
他に鉄金象嵌の釜釣・釜鐶・火箸が添っているそうです。

自在は、宣徳でできたものもあるとか。


自在

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